- 2019-05-15 (水) 15:44
今週はトコブシを紹介します。ミミガイ科に属し、アワビに似た巻貝ですが、殻の長さは8センチ程度で小ぶりな貝です。産卵期である夏に旬をむかえます。鹿児島では「ナガラメ」とも呼ばれており、こちらの名前の方がなじみのある人も多いのではないでしょうか。
県内では資源保護のため、10月から翌年4月までは禁漁期間が設けられ、5月1日から解禁となります。
生きているものの方が断然味がよく、鮮度がよいものは、指ではじいたときに身がよく締まるとされています。
新鮮なトコブシを刺身にし、コリコリとした食感を楽しむのもお薦めです。アワビよりも軟らかく、硬くなりにくいため、みそをのせて焼く種子島の郷土料理「ナガラメの味噌焼き」をはじめ、バター炒め、天ぷらなど加熱しても絶品です。ぜひご賞味ください。
(平成31年5月15日の南日本新聞に掲載)
鹿児島市魚類市場 主任 地福 茂峰